QAZZ — 020
企画:石田久二
発売元:まるいひと株式会社
QAZZ-020
演奏者
収録曲
竹下清志(Piano)・時安吉宏(Bass):5〜8
編曲(5〜9):竹下清志
9曲目はクラリネットと弦楽四重奏のみの編成
QAZZレーベル第二十弾。クラリネット奏者鈴木孝紀のリーダーアルバム。1987年の夏、吹奏楽部でクラリネットを吹いていた中学三年生の石田は、モーツァルト《クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581》のカセットテープに雷に打たれたような衝撃を受けた。以来温め続けてきた「クラシックとジャズを横断するアルバム」という夢が、北川靖明『J'adore la clarinette』(QAZZ-014)での共演を経て出会った鈴木孝紀によって、本作で結実した。
制作の途上、鈴木の兄であり高名なジャズ・サックス奏者の鈴木央紹が、大阪フィルハーモニー交響楽団メンバーとの初顔合わせ予定日の朝に容体が急変し、翌日旅立たれるという出来事があった。それでも予定通りにと、モーツァルトの誕生日である翌年1月27日に改めて初リハーサルが行われ、録音は大阪で実現した。
前半(1〜4曲目)はモーツァルト《クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581》全4楽章。大阪フィルのトップメンバーである須山暢大(ヴァイオリン)、田中美奈(ヴァイオリン)、井野邉大輔(ヴィオラ)、松隈千代恵(チェロ)を迎え、晩年のモーツァルトが遺した、明るい長調の中に深い哀しみを湛えた名曲を丁寧に紡いだ。
後半(5〜9曲目)はジャズ編。竹下清志(ピアノ)、時安吉宏(ベース)が加わり、「It Could Happen to You」では弦楽四重奏が見事にスイングし、鈴木のオリジナル「Ange Cri」はタンゴのリズムに乗るニ短調のバラード。「Love Walked In」は央紹が愛奏した曲、「Evidence」は裏拍を多用した難曲に竹下のアレンジで挑む。ラストの「Something Good」はピアノとベースを外し、クラリネットと弦楽四重奏のみという、モーツァルトと同じ編成で締めくくられる。
クラシックとジャズの垣根を越えた第一線の奏者たちが集い、タイトル「Timeless Stories」が示す通り、時代を超えて響き続ける音楽の旅を一枚に刻んだアルバムである。
企画:石田久二
編曲:竹下清志(5〜9)
録音・編集:西村和幸(ワコーレコード)
装丁:菅原沙耶
発売元:まるいひと株式会社